整体という状態について考える
「整体」は状態を表す言葉である。
したがって「整体を受ける」
という言葉は本来成り立たない。
「健康」も状態を表す言葉である。
一方で
「健康になる」や
「健康になりたい」という言葉もある。
そういった意味でいうと
「プロ野球選手になる」や
「音楽家になりたい」
といった言葉と同義語に分類される。
しかし、われわれの頭の中では
「プロ野球選手」と「健康」は
多分、同じカテゴリーにはいない。
これはどういったことだろうか？
もう一つ考えてみようと思う。
「お金持ち」はどうだろうか？
「お金持ちになる」
「お金持ちになりたい」の場合、
「プロ野球選手」というよりは
「健康」よりっぽく感じる。
「お金持ち」も
おそらく状態を現す言葉だ。
「プロ野球選手」や「音楽家」ではない。
それでも「お金持ち」と「健康」が
同じカテゴリーにいるとは何だか思えない。
「健康になりたい。 健康のためなら死んでもいい」 と言った自称健康オタクがいた。
その人は医療人で、
ある一定の地位にもある人だ。
健康や医療に対する知識や経験は
他を凌駕し、
われわれは尊敬のまなざしを持って
見ていたものだった。
医療人であるがゆえ、
健康に対する意識も高かった。
難病で苦しむ人、
障害を負ってしまった人、
そのような人たちのそばで
息遣いを感じる職業だからこその
健康オタクだったのではないか、
と思う。
健康オタクは
「健康」である状態を
維持できなくなった人たちを
たくさん診てきた。
そして、それが
不可逆的なことであることを知った。
ここに私が
「健康」と「お金持ち」が
同じカテゴリーにいないように感じる
理由があるのではないか、と思う。
それは私自身が意識できてきたか、
どうかということだ。
私は「健康」である、
と自覚できた時代があった。
しかし「お金持ち」である、
と自覚できた時代はまだない。
つまり「健康」は記憶であり 「お金持ち」は兆しなのである。
ここに「健康」と「お金持ち」が
私の中で同室できないところ
なのだろうと思う。
もちろん
「健康」と「お金持ち」を
同室に括ることのできる人もいるだろう。
別の意味で言うと、
必要性において、
同じカテゴリーに分類できない、
という人もいるだろう。
確かにそれはそうだ。
「健康」と「お金持ち」を
必要性という価値感において
同じように並べることは私もできない。
「整体」も
「整体になる」や「整体になりたい」
という使い方が本来正しいものなのだ。
それも
「プロ野球選手」や「音楽家」よりも
近い存在で「整体な私」は
存在していたのである。
そしてわれわれにとっては
「お金持ち」よりも身近な存在にあった。
「整体」という状態は記憶だからである。
それは「生まれたばかりの
赤ん坊の身体は整体である」
と言われているからで、
「整体になりたい」われわれは
「赤ん坊になりたい」と
言っているようなものだ。
赤ん坊の自由さと柔軟性を顧みると
憧れるのも頷ける気がする。
何色にも染まっていない赤ん坊のすがた。
皆さんも赤ん坊を
見たことはあると思うが、
多分われわれも
あんなすがたで
あんな笑顔だったのだろうと思う。
今では見る影もないが・・・。
まとめ
「整体」とは受けるものではない。
「整体になる」「整体である」
という状態を現す言葉だ。
そういった意味でいうと
「整体」を目指す道、
「整体」を鍛える場所、
のようなものがあってもいいと思う。
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５月のからだと心のバランス講座のお知らせ
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日時：５月2６日（土） 16時～
場所：琴浦指導室
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