整体というものの特徴があります。
巷では、そのほかにも整体と呼称なさっている治療院さまが多数あり、それらのすべてがそうであるとは申しませんが、少なくとも野口晴哉先生、岡島瑞徳先生から受け継がれてきました愛光流では、以下に書きますことを原則として捉えています。
整体は人間を生きているものとして観ることを基本としています。
当たり前のことのように思われるかもしれませんが、これはとても大切な視点です。
とくに整体ではすべてを運動として理解することが特徴です。
悩みは悩みの運動、焦りは焦りの運動、食べ過ぎといった現象も食べ過ぎの運動と、それぞれ特有の運動として捉えられます。
今回の動画で例えますと、白玉団子を作って、茹でて、食べるという運動をしている。
そして氣の許せる人たちとゆったりとした時間を過ごすという運動を楽しんでいます。
ある意味で好ましい運動ばかりをするとよいのではないかと思います。
悩みというものは心の中で絶えず動き続け、時に不安や混乱を引き起こします。
多くの人は、悩みの種があるのが原因で悩んでいると考えていますが 整体では悩みの運動をその人はしているのだと捉えます。
焦りという感情は心身に緊張を生み出し、呼吸や血流に影響を与えます。
「結果、成果が乏しいと生きていると認識されない」そんな風に考えて、日々焦りを抱えている人が多くいらっしゃいます。結果や成果に毎日追われている現代人ですので、いつも焦りの運動をしているようなものです。
食べ過ぎは過剰なエネルギーを蓄え、消化器官に負担をかけます。
動画で大量の食べ物を一気に平らげる様子を公開している人がいらっしゃいますが、食べ過ぎの運動を公開しているようなものです。
私たちはいつも何かの運動をしています。
整体ではそれらの運動を自然な経過の一部として見守ります。
冷えを例にしますと、冷えはただ体温が下がる現象ではなく、その先に熱を発してバランスを取ろうとする経過があると考えます。
冷えた人は熱を出すのです。
冷えたら風邪を引くのは、みなさんご存じのことかと思います。
「寒くなったから風邪をひいた」なんて言いますし、「風邪を引いたのは薄着をしていたからだ」なんて言ったりもします。これらは冷えが原因で風邪を引いたという意味で使用されます。
私なんかは「不思議だな」と思いますのは、冷えっぱなしだと、どんどん低体温になっていくはずなのに、何故かある瞬間から咳をしたり、のどが痛くなったりして、最後には熱を発します。
冷えが原因となって体調が悪くなったら、どんどん冷えていくのかと思いきや、実際には熱が出ます。熱が出たら多くの人が嫌だなと思います。
冷えたら熱を出すのです。
どんどん冷えたら困るので、それを補うために熱を出そうとする。
それが自然な反応ですから、熱を症状をして捉え、熱を下げようとするより、症状を治すのではなく、経過させることが重要です。
病は単なる不調や障害ではなく、身体が回復しようとするプロセスの一環です。
病を排除するのではなく、その自然な流れを受け入れ、経過させることで、身体や心が本来持つ治癒力を引き出すことが整体の基本的な考え方です。
その過程を見守り、必要に応じて適切にサポートすることで、自ら経過し、バランスを取り戻し さらに強くなる力を持っています。
必要に応じた適切なサポートがどのようなものか、ご興味ございます方はお近くの整体操法指導者の下を訪ねられるのが最適かと思われます。
整体は症状や問題に対して、排除することを目的とするのではなく、それらを通して身体や心が持つ本来の力を引き出すことに焦点を当てています。
すべての人が持つ治る力を最大限に発揮できる環境を整えることで、人はより丈夫になり、自然で健康的な状態へと近づくことができるのです。
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