日常生活を振り返ると 私たちの暮らしには虚と実が絶えず交錯していることに気づかされます
これらを完全に分けて考えることは難しいものです
老子は無為という言葉を使い 無のはたらきを表現しました
整体という営みもまた この虚々実々の世界に深く根ざしています
そこには表現と非表現の微妙なバランスがあります
手のひらで語る言葉 沈黙が織り成す空間
その中で安心感を得 自分自身を見つめ直します。
無から有が生まれ 有から無へと還る
この循環は自然界でも 私たちの日常でも絶え間なく続いています
一杯の水を飲むことで命が潤うように 一瞬の静寂が次の動きを生むように
この流れを意識することで 私たちは生きるリズムを感じることができます
心を穏やかにし 身体を整えることが 虚と実の間に橋をかける鍵となります
具体的には 忙しい日々の中でほんの少し立ち止まり 深呼吸をする
呼吸に意識を向けてみる
それもまた 無から有を生む瞬間です
無から始まり 有を経て 無に還る
こうした小さな循環を意識するだけです
虚と実 表現と非表現 無と有
そのどれもが私たちの生活の一部であり 対立するものはなく むしろ共調し 私たちを現わしています
その調和の中に 整体の本質もまた宿っています
そして そこに触れることができたとき 身体だけでなく心も整い ほんの少しだけ前向きな気持ちになれるのかもしれません
今日という一日 今この瞬間もまた 虚と実が織りなしています
虚よりも実に目が行きがちですが どちらか一方を否定しない その姿勢が日々の暮らしを少しずつ柔らかく 豊かにしていくのではないでしょうか
そうすることで ふとした瞬間に 温かな幸せが顔をのぞかせます
それは決して遠くにあるものではなく いつでも私たちのすぐそばに潜んでいます
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