ヒトシステムからはじめよう

cancer

がんと診断される人が増えているそうです。

「最近知り合いになった女性の方ですけど、乳がんと診断されたらしいんですね。その方は高齢ということもあり、手術とか科学治療をしようか、それともこのまま自然療法のようなことをしようとか悩んでおられたんですよね」

先日このようなお話をお聞きしました。

どのような選択をされるかまでは当人が決めることであり、ご家族さまの意向などもある難しい問題ではあるかと思います。ただ、どういった病なのか、そして身体はどうやって病になったのかというのは考えてもいいのではないのかなと思います。

 

やっぱりシステムだよな

以前師匠がガン講座という特別な講座を行われたことがあります。まだコロナが流行る前で大人数が集まってもよかった頃のお話。

冒頭での会話つづき。「どういう治療を選択させるかはご本人さまの自由かもしれないけど、やっぱりヒトシステムが正常に働いていないとどうすることもできないのかもね」

ヒトシステムという名称を聞いたことがない人がほとんどではないかと思います。

ヒトシステムとはヒトが正常に働くためのシステムのこと。

ヒトシステムを話す前にわたしたちが考えている人間というものとヒトとの違いを述べますね。

 

わたしたちはヒトでしょうか?それとも人間でしょうか?

一応生物学的な分類で言うとヒトです。わたしたちはヒトというひとつの生物です。それに肌の色とか話す言語とか、住んでいる場所、職業、その他もろもろのいろいろな社会的な付属物がつくと人間になります。もっと言うと大脳が関与すると人間になる。心というものが介在するとヒトは人間になります。

ヒトというのはそうではない。エネルギーが枯渇すると食事をして補給しますし、回復するために眠る。そういった本能的な部分、大脳的な常識や感情などが介在しないものがヒトなのです。

 

わたしたちは人間ですが、その根底にはヒトがいる。ヒトという存在の上に人間という存在が覆いかぶさっていて、それを総じてわたしという。

人間がストレスをかかえて身体を壊す。それでも毎日の糧を得るために仕事に行く。社会的な責任感とか自己実現などという目標は人間にのみ存在します。

ヒトからしますと過剰なストレスがあると休みたいと思います。しかもストレスのかかる場所に近づきたくはなく、そこから逃避しようとします。

 

病気がどうこうと考えているのは人間の側なのです。

ヒトの持つヒトシステムは病気を治そうとせず、ただ身体を回復しようと努めています。

 

ヒトシステムを正常化する

ヒトシステムを正常化するためにはいくつかの必要な要素があります。

簡単に言ってしまうとヒトシステムが働きやすい環境を整えることです。そこに病気をどうこうするという視点はありません。

ガンという病気を中心に話しているのですが、病気をどうこうするという氣はない。病気自体にフォーカスしなくても病気は不必要になって行く。

そもそものシステムは生きようとしていて、その生きようとしているシステムを正常化すればいいのです。

システムが正常に働かなくなったのでいくつかの病気が生まれました。そしていくつかの病気はこのままだとダメになるよと言っています。そう考えると改善しないといけないのはシステムそのもの。病気に何か対処したところでさらに病気が生まれるだけです。

ヒトシステムが正常化するために必要なことは適切な栄養と適切な休養です。適切な栄養と言いますとたんぱく質やビタミン群、ミネラルを適切に摂取することです。活動するための動力源として栄養が必要です。酸素も必要です。そういった身体が活動するための必要最低限に必要なものを摂る工夫をします。こういうときに何か必殺の栄養素やサプリに頼る人がいますが、身体が形成され、動く原理は中学校や高校の時に習った知識で充分です。

たとえば身体が動くために水素が必要だったでしょうか?エネルギーとして活用されるものはATPと言われ、ATPを生成するために必要だったのは酸素でした。水素が必要な場面もありますが、基本形はやっぱり酸素です。

今のは一例にすぎませんがよくある話ですよね。「ガンに効く○○」とかですね。ヒトシステムが正常に働いていないと何をどうしても効果はありません。

 

ヒトシステムを阻害するのは?

ヒトシステムの正常化。ヒトシステムが自然に、オートマチックに回っている。身体を維持し、生命を維持するために粛々とシステムが働いています。

ではわたしたちがわたしたちだと認識している心や感情、その人らしさのようなものって何なのでしょう?わたしたちは健康にもなりたいし、お金持ちにもなりたい。社会的にも認められたいですし、地位や権力も手にしたい。大きい小さいはあれども多くの人間がそのような欲求を持っています。仕事を持って社会的経済の一員を担っています。裕福な暮らしがしたいとか社会的に成功したいというものが多くの人のモチベーションとなっています。成し遂げている人は成功者ともてはやされます。

しかしシステムですよ。そもそもがヒトシステムが生命を維持している。身体を維持して生き永らえさせようとしてくれています。もしかするとそのシステムの働きを邪魔しているのは人間なのかもしれませんね。

システムが働こうと休息を取ろうとする。眠たくなります。しかし人間は今日しておかなければいけない仕事があるからとか、読んでおかないといけない本があるからとか、視ておかないといけない番組があるとか、チャンネルがあるとか。そんなことを優先して行動します。システムが働く機会を奪っていて、結果的に健康不安や病気を引き起こしているのは人間、大脳行動なのです。

システムが働いたら病気になる必要もありません。健康を気にする必要もない。健康になりたいとか病気を治したいということでどれだけ多くの時間を無駄にしているのでしょうか。ヒトシステムを正常化すればいい。システムに委ねていたらいいのです。

 

感情が支配するという誤解

わたしたちは日々日々生活をしています。毎日毎日仕事に出かけ、糧を得て、生活を営んでいます。ヒトは何をしてもよいのかもしれません。わたしたちはヒトとして構成されています。無数の細胞が集まってわたしたちを作っています。細胞が集まって内臓器官を作り、ヒトの形を成します。ヒトはヒトとして成立している。細胞にも寿命があって、細胞で形成されているヒト、人間にも寿命があります。最近では女性の平均寿命が80歳代、男性の平均寿命が70歳代後半のようです。しかし、そもそもヒトの寿命は120年と言われていて、細胞レベルでのわたしたちは120年生きることを目的に生存してます。

平均寿命がずいぶんと長くなったとはいえ、まだまだ開きがあります。120年生きる目的を阻害しているのも人間、大脳人間なのです。

わたしたちの社会では心というものや感情というものを大事に扱います。感情のコントロールや心の平穏というのは現代人の課題です。わたしたちは感情でものを言いますし、感情で購買もします。感情で人の優劣をつけ、感情で選択します。感情は行動を支配しています。

さて感情はこの世の中を生きやすくしているのでしょうか。ヒトの立場からしますと、そんなことなさそうです。

わたしはヒトシステムが存在し、そのシステムを正常化させ、システムに委ねることで健康や病気の不安から逃れることができるのではと思います。

ガンという病は決して侮ってはいけない病だと思います。しかし情けのある病でもあります。ガンと言われたその瞬間にどうこうなることは多くはない。余命幾何と言われてもそれでもこれまでの人間を改善するチャンスはあります。ヒトシステムが働く余地はあります。

わたしたちにはヒトシステムがあり、粛々と知らないところで働いてくれていることを知り、ヒトシステムに働いてもらうことです。

人間というものは複雑なものかも知れません。人間と人間が作り出す社会はとても複雑です。人間を複雑にしたのは人間なのかもしれません。ヒトはもっと単純に機械的に存在しています。わたしたち人間ももっと単純化してもいいのかもしれないなと思います。

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