身体を休めるには、身体を使わない時こそ力をしっかり抜き、できるだけ緩めて呼吸を整えることが重要です。
一方で、身体を使う時には必要な処に力を集中させ、なるべく能動的に動かすことが理想的です。
気持ちや身体が緩んだまま無理に動かすと、余計な負担がかかり草臥れてしまいます。
不本意ながら働いたり動いたりすると、通常以上に疲れるのはこのためです。
たとえば、嫌々ながら重い荷物を運んだり、家事をしたりすると、余計に草臥れを感じることがあります。
身体を使う際には適度な緊張感を持ち、休む時にはしっかり力を抜いて緩めることが基本です。
ところが必要のない処に力が入り、肝心な処に力を入れられない人も少なくありません。
また、身体を休めようとしても硬直してしまい、自分では弛めているつもりでも、実際には十分に弛められていないことがあります。
その結果、働いた後の疲れが取れず眠っている間に夢を見続けてしまいます。
これは身体の使い方に限らず心の使い方も同じです。
たとえば、悔しいことや悲しい出来事が心に残り、それを何度も思い返してしまうことで頭や心臓に余分な負担をかけてしまうことがあります。
他人の言動に過剰に反応し、苛立ちや焦燥感を抱くのも同様です。
たとえば、過去の失敗を何度も思い返し「あの時こうしていれば」と悔やむことや、他人の何気ない一言を深読みし続けることは、心だけでなく身体にも大きな負担をかけます。
これらは力を注ぐ必要のない処に、意識を向けてしまうために起こるものです。
そのような状態では必要な処に力を集中できず、また力を抜くべき時にも緊張が続いてしまいます。
さらに草臥れてしまい、布団に入っても休息を得られず、雑念に囚われ続けてしまいます。
力を入れるべき時と抜くべき時をきちんと区別し、心身を必要に応じて調整することが大切です。
力を入れるべき時と抜くべき時がうまく行かない時は、みぞおちが硬くなっていることがほとんどです。
みぞおちを弛めることが、心身を休める第一歩となります。
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